投資で損失が出た年こそ、損益通算・繰越控除を活用することで税負担を大幅に減らせます。確定申告のやり方と、株式・FX・投資信託の損失を活かす方法を徹底解説します。
目次
損益通算とは
損益通算とは、同じ種類の所得の利益(プラス)と損失(マイナス)を相殺することです。たとえばA株で+50万円、B株で-30万円なら、課税所得は20万円になります。
投資の種類別・損益通算できる組み合わせ
| 損失の種類 | 通算できるもの | 通算できないもの |
|---|---|---|
| 上場株式の売却損 | 上場株式の売却益、配当金(申告分離課税選択時) | FX利益、不動産所得、給与所得 |
| 投資信託の売却損 | 上場株式の売却益、配当金 | FX利益、非上場株式の損益 |
| FX(外国為替証拠金取引)の損失 | FXの利益、先物取引の利益 | 株式の売却益・配当金 |
| NISA口座の損失 | 通算不可(非課税口座のため) | すべて不可 |
繰越控除(損失の3年間繰り越し)
確定申告で損失を申告しておくと、翌年以降3年間にわたって利益から差し引きできます。
| 年度 | 損益 | 課税所得 | 繰越額 |
|---|---|---|---|
| 2023年 | -100万円の損失 | 0円 | -100万円を繰越 |
| 2024年 | +60万円の利益 | 0円(60万円相殺) | -40万円を繰越 |
| 2025年 | +80万円の利益 | 40万円分のみ課税 | 繰越なし(消化完了) |
確定申告の手順
①特定口座(源泉徴収あり)の場合
- 証券会社から「特定口座年間取引報告書」を取得
- 損失がある場合は確定申告することで翌年への繰越が可能
- 利益のみの場合は確定申告不要(源泉徴収済み)
②確定申告書の作成
- 国税庁のe-Tax(電子申告)または確定申告書作成コーナーを利用
- 「株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書」を作成
- 「上場株式等に係る譲渡損失の繰越控除」を記載
- 申告期限:翌年3月15日まで
損益通算の注意点
- NISA口座の損失は通算不可:非課税口座のため、損失が出ても他の利益と通算できない
- 繰越控除は毎年申告が必要:損失発生年含め、毎年確定申告をしないと繰越できない
- 株式とFXは通算できない:それぞれ別の課税区分のため相互通算不可
よくある質問
Q. 損益通算するとどれくらい税金が戻る?
A. 株式の利益100万円に対し20.315%(約20万円)の税金がかかりますが、損失100万円と通算すれば課税ゼロになります。既に源泉徴収されていた場合は確定申告で還付を受けられます。
Q. 複数の証券会社を使っている場合は?
A. 複数の証券会社間の損益は自動的に通算されません。確定申告時にすべての証券会社の年間取引報告書をまとめて申告することで通算できます。
まとめ
投資で損失が出た年は、確定申告で損益通算・繰越控除を行うことで将来の税負担を大幅に軽減できます。特定口座(源泉徴収あり)の方も、損失がある年は必ず確定申告することをお勧めします。3年間で取り戻せる税金は大きいです。