領収書の整理・申請・承認・仕訳まで一連の手続きを効率化する経費精算の改善は、バックオフィス業務の生産性を大きく向上させます。電子帳簿保存法対応を含む最新の経費管理方法を解説します。
目次
経費精算の主な課題と改善ポイント
| 課題 | 従来の方法 | 改善策 |
|---|---|---|
| 紙の領収書管理 | 紙を保管・貼付け・提出 | スマホで撮影→電子保存(電帳法対応) |
| 承認の遅延 | 紙の回覧・押印 | クラウドで申請→メール/Slack通知で即承認 |
| 仕訳の手作業 | 会計ソフトへの手動入力 | 経費ツールと会計ソフトの自動連携 |
| 精算の遅れ | 月末まとめて処理 | リアルタイムで申請・承認・仕訳 |
主要な経費精算クラウドツール比較
freee経費精算
- 特徴:freee会計との連携がスムーズ。スマホアプリでレシート撮影→OCR自動読取
- 対象:個人事業主〜中小企業。freee会計ユーザーに特におすすめ
- 電帳法対応:スキャン保存・電子取引のデータ保存に対応
マネーフォワード クラウド経費
- 特徴:AI-OCRで領収書を自動読取。交通費の自動計算(ICカード連携)
- 対象:中小〜大企業まで対応。外部連携が豊富
- 電帳法対応:タイムスタンプ付き電子保存に対応
楽楽精算
- 特徴:ワークフロー(承認ルート)の柔軟な設定。大企業・複雑な組織に強い
- 対象:100名以上の中堅〜大企業向け
- 電帳法対応:電子帳簿保存法対応・タイムスタンプ付与
電子帳簿保存法(電帳法)への対応
電帳法の3つの保存区分
- 電子帳簿等保存:会計ソフト等で作成した帳簿・書類を電子データで保存(任意)
- スキャン保存:紙の領収書等をスキャンして電子データで保存(任意)
- 電子取引データ保存:メール・Web受領の電子データの保存(2024年1月から義務化)
電子取引データ保存の要件
- 削除・改ざん防止措置:タイムスタンプ付与、または訂正削除の履歴が残るシステム
- 検索要件:取引年月日・取引金額・取引先で検索できること
- 2024年1月以降は猶予措置なしで義務化(メール送受信の領収書等も対象)
スキャン保存の要件(2022年改正で緩和)
- 解像度200dpi以上・カラーで読み取り
- タイムスタンプ付与(受領から2ヶ月以内)、または改ざん防止措置
- 検索要件(金額・日付・取引先)を満たすこと
経費精算の効率化ステップ
経費精算フローの改善手順
- 現状分析:どこで時間がかかっているか(申請/承認/仕訳/保管)を可視化
- ツール選定:自社規模・既存会計ソフトとの連携を考慮してツールを選ぶ
- 電帳法対応の確認:電子取引データの保存方法を確立する(2024年1月以降は義務)
- 承認フローの整備:部門・金額・種類別の承認ルートを設定
- 運用開始・教育:全社への周知と操作マニュアル作成
よくある質問
Q. 紙の領収書はスキャンしたら捨ててもいいですか?
A. スキャン保存の要件を満たした場合のみ、原本の廃棄が可能です。要件を満たさないスキャンデータは証拠書類として認められないため、原本(紙)も7年間保存する必要があります。クラウド経費ツールの多くはスキャン保存要件を満たす機能を提供していますので、ツール選定時に確認してください。
Q. 従業員が10名以下の小規模企業にも経費精算ツールは必要ですか?
A. 電子取引(メールで受け取った請求書・Web領収書等)がある場合は、2024年1月から電子帳簿保存法の適用が義務化されているため、対応が必要です。小規模企業でもfreeeやマネーフォワードは低コストで利用でき、電帳法対応・会計連携・精算効率化が一括で解決できるためお勧めです。
まとめ
経費精算の効率化はクラウドツールの導入と電子帳簿保存法への対応を組み合わせることで実現できます。2024年から電子取引データ保存が義務化されているため、まずは自社の電子取引の保存方法を確認し、適切なツールを選定しましょう。