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労働時間管理と働き方改革【2025年】36協定・残業規制・有給休暇の法的対応と実務

2019年から段階的に施行されてきた働き方改革関連法により、時間外労働の上限規制・有給休暇の取得義務化が中小企業にも適用されています。法令対応と実務上の対策を解説します。

目次

働き方改革の主な法改正内容一覧

改正内容 中小企業への適用開始 ポイント
時間外労働の上限規制 2020年4月〜 月45時間・年360時間が原則上限。特別条項でも年720時間まで
有給休暇の年5日取得義務 2019年4月〜(大企業と同時) 年10日以上付与される社員に年5日以上取得させる義務
同一労働同一賃金 2021年4月〜 正社員と非正規社員の不合理な待遇差を禁止
月60時間超残業の割増賃金引上げ 2023年4月〜(中小企業も) 月60時間超の時間外は割増率50%以上(従来は25%)

36協定(時間外・休日労働に関する協定)

36協定とは

  • 法定労働時間(1日8時間・週40時間)を超えて従業員に残業・休日労働をさせるには、36協定の締結と届出が必須
  • 従業員の過半数代表者(または過半数労働組合)との書面による協定を締結し、所轄の労働基準監督署に届け出る
  • 36協定なしで残業させると労働基準法違反(6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金)

時間外労働の上限規制(2020年〜)

  • 原則上限:月45時間・年360時間(特別条項なしの場合)
  • 特別条項を結んでも超えられない絶対上限:年720時間、月100時間未満(休日労働含む)、複数月平均80時間以内(休日労働含む)、月45時間超は年6ヶ月まで
  • 違反した場合:6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金(罰則が初めて適用された)
  • 2024年4月から建設業・物流業・医師にも適用拡大(一部猶予解除)

▶ 労働時間管理・就業規則の整備を社労士に相談する

有給休暇の年5日取得義務

制度の内容と注意点

  • 年10日以上の有給休暇を付与している従業員に対して、使用者が年5日以上取得させる義務がある
  • 取得させない場合:30万円以下の罰金(対象従業員1名ごとに科される)
  • 従業員ごとに有給休暇管理簿を作成・保存(3年間)する義務がある
  • 計画的付与制度(労使協定で有給取得日を計画的に決める)の活用が有効

同一労働同一賃金への対応

正社員とパート・アルバイトの待遇の比較検討

  • 基本給:職務・能力・実績に基づく賃金格差は合理的だが、同じ仕事で差をつけることは不可
  • 賞与・手当:正社員に支給して非正規に支給しない場合、不合理な差として問題になる場合がある(通勤手当・皆勤手当等)
  • 福利厚生:食堂・更衣室・休憩室など施設利用の差別は原則禁止
  • パートタイム・有期雇用労働者から説明を求められた場合は待遇差の内容・理由を説明する義務がある

▶ 給与計算・勤怠管理を効率化するクラウドサービスを確認する

労働時間管理の実務対策

中小企業が取るべき具体的な対策

  • タイムカード・ICカード・クラウド勤怠システムで客観的に労働時間を把握・記録する(管理義務あり)
  • 36協定を毎年更新・届出する(協定の有効期間は最長1年)
  • 残業申請ルール・上司の事前承認プロセスを設けてサービス残業を防ぐ
  • 業務の「見える化」と無駄な会議・資料作成の削減で残業自体を減らす
  • 時間当たりの生産性を重視する評価制度に切り替える(長時間労働を評価しない文化作り)

よくある質問

Q. 従業員が有給を取ってくれない場合はどうすればよいですか?

A. 使用者には有給を「取得させる」義務があるため、従業員が自発的に取らない場合でも会社側が時期を指定して取得させなければなりません。有給取得しやすい雰囲気づくり・計画的付与の導入・有給残日数の定期的な通知が有効です。年度末に集中して消化するより、年間を通じて計画的に取得できる仕組みを作ることが望ましいです。

Q. 残業代を固定(みなし残業・固定残業)にすることはできますか?

A. 可能ですが、固定残業制度(定額残業代)を設ける場合は①固定残業代の金額・時間数を就業規則・雇用契約書に明示、②固定時間を超えた分は追加で支払う、③最低賃金を下回らない等の要件を満たす必要があります。要件を満たさない場合は無効とされ、通常の残業代を後払いさせられる可能性があります。

まとめ

働き方改革への対応は法令遵守としての義務であると同時に、優秀な人材を採用・定着させるための重要な経営戦略でもあります。勤怠管理システムの導入・36協定の適切な更新・有給取得促進を軸に、働きやすい職場環境を整備しましょう。

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